奈良追分コミュニティ

ABOUT奈良追分コミュニティへの歩み

奈良北西部の矢田丘陵の北端、追分の地で、平成28年4月1日、農業と福祉が連携して、追分梅林の環境整備や薬用植物、果樹の栽培を通して、新しい観光の場や認知症の人、働きたくても働けない人達等のやりがい・生きがいが持てる場を作ることを目標に「奈良追分協議会が」設立されました。

令和3年3月末までの5年間で、奈良追分協議会のプロジェクトの活動目標はひとまず達成されたこと、新たな活動団体の参入等の動きもあって、奈良追分協議会は「奈良追分コミュニティ」へと編成替えをし、新体制でこれまでの精神と事業を継承し、大和の古道「暗峠奈良街道」沿う歴史的な地域である矜持を保ち、農業・福祉・観光の発展に寄与しながら、追分の地の維持管理の継続に取り組むこととなりました。

「奈良追分協議会」から「奈良追分コミュニティ」への歩み

2016年
(平成28年)
追分に拠点をおく「一般社団法人SPSラボ若年認知症サポートセンター きずなや」と「農事組合法人 追分梅園組合」が中心となって、農業と福祉が連携し、追分梅林の環境整備や薬用植物、果樹の栽培を通して、新しい観光の場や認知症の人、働きたくても働けない人達等のやりがい・生きがいが持てる場を作ることを目標に「奈良追分協議会」が設立されました。
初年度は、農業と福祉の互いの理解をするための教育・研修を中心に活動をしました。
また、今後の農福プロジェクトの企画・運営における計画書作りを行った。この年、「きずなや」は、その活動の功績が認められ、厚生労働省事業地域部門の大賞を受賞しました。
2017年度
(平成29年)
農業を中心にした活動をスタート。
数年前、追分梅林の数千本の梅が、突如枯死するという不慮の事故に見舞われた追分梅林の復興整備を、地元の人々やボランティアの人たちと共に、土地改良や若木の植樹などを精力的に進めました。
一方、わが国の固有種で、記紀万葉にも記された伝説の木でありながら、絶滅危惧種となっていた大和橘の植樹や栽培、大和特産である大和当帰・ソバやハーブなどの畑栽培で、地域性を活かした農業活動を展開しました。
認知症の人も地域住民とともに農作業を行い、認知症者と共にそばづくり体験講座などのイベントも開催しました。
2018年度
(平成30年)
イベントを中心とした企画を多く行いました。
梅林の復興整備も、多くの人々の支援と努力で目標がある程度達成し、観梅会や梅狩り体験など、梅林観光の小さな一歩をスタートさせることができました。
また、耕作放棄地等の整備を行い、バーベキュー・キャンプなどが出来る広場を整え、隣接する近畿大学農学部学生たちの応援もあり、地域の人々へ農福連携と若い力での活動であることをアピールできるようになりました。
2019年度
(令和元年)
新たな観光地としての追分を考えることや商品の企画・販売の活動をスタート。
大和橘も実をつけるようになり、商品化に向けた取り組みを行いました(企業との連携交渉等)。
また、追分の地は、奈良時代の僧、行基菩薩が養老2(718)年に建立した隆福院の跡地という歴史的な要地であり、追分本陣(村井邸)で考古学者や歴史学者などを招き講演会を開催し、発掘された古瓦も披露されました。
2020年度
(令和2年)
新型コロナウィルス蔓延による非常事態宣言が発令された影響もあり、活動を縮小せざるを得ず、これまでの活動の維持を中心に行いました。
しかし、喜ばしいことに、追分の大和橘の実がついに商品化され、京都上七軒の由緒ある老舗菓子舗、有職菓子御調進所「老松」が、「非時香菓大和橘」の銘で季節限定商品として新販売し好評を得ました。
同店の代表的商品である「夏柑糖」の技術を、橘の小さい実に援用した優れもので、他の追随を許さない商品であります。
年明けの2月末には入念な準備のもと「観梅会」を催し、10日間で梅林復活後初めて千人近い観光客を迎えることが出来ました。
この期間中には、奈良県自然環境フォーラムの事業の一環として、「橘と菜の花で結ぶ 記紀万葉の道めぐり」のウォーキングイベントを主催し、30名の親子の参加がありました。
新型コロナウィルスの影響下での活動として、無事終了できたことに安堵しました。
2021年
(令和3年)
奈良追分協議会としてのプロジェクトは、この5年間で一応の目標を遂げたことと、この活動に賛同する新しい団体や個人の参入があることから、令和3年3月31日をもって編成替えを行い、「奈良追分コミュニティ」と名称を変えて、新しいスタートを切ることになりました。
これまでの活動を終わらせることなく新しい体制で継続し、官学民の連携を密にしでさらに発展、飛躍して、新しい時代に対処する活動を展開する所存であります。